再会、際会、再開

何かに出会うことのみが、歩み続ける活力になる。マンネリはきらいよ、ということではないのだけれど、自分ひとりだとどーしてもクセが強くて(えぐみのようなものがとれなくて)、ネットリした思考の沼から抜け出しくい。そうこうするうちに溺れてしまう(…

【アート】アートと音楽「思考を殺す音たち」

東京都現代美術館の企画展「アートと音楽」「風が吹けば桶家が儲かる」を鑑賞。2/3が最終日だったので、滑り込みセーフ。前者の展示は、「坂本龍一」のインスタレーションもあり、話題性は抜群。最初の展示から面白い。 セレスト・ブルシエ=ムジュノの「ク…

新年あけました。まずはInputOutput体制整備

新年あけました。 気持ちのリセットや特別な意気込みというものは、まったく無い2013年元旦。 外は吹雪という極寒の地元。住んでるところは海だから雪はすぐに溶けてしまうけれど、東京とくらべるととても寒く、家は自然の大きな叫び声につつまれている。そ…

【演劇】「生きちゃってどうすんだ」松尾スズキ

「中村勘三郎、死去。」 というニュースが飛び込んできたのは12月の5日で、その日は早朝出社で仕事を始めようと思っていたのだが、朝っぱらから度肝を抜かれてしまった。まだ若いのに…。文春の記事を呼んで危惧してはいたものの、こんなに早い死を迎えるとは…

【演劇】小林賢太郎の「ロールシャッハ」

伊坂幸太郎の小説と同類のカテゴリに入りそうな、小林賢太郎の戯曲。 SFという点ではなく、物語の構成や醸す空気感がなんだか似ている。 「ロールシャッハ」 あらすじは、パラレルワールドに住む住民が、世界の果てにある「壁」の向こうの世界=こちらの世界…

【雑感】かませ犬がほざく

金曜の夜は、「Thanks GOD!!」と叫びたくなる開放感が普段は殺伐としたオフィスにも漂うのだが、その日は予定無く、仕事をしようと思っていた。金曜日の夜に予定の無い女は無条件で寂しい女である。その惨めさを客観視しないよう、仕事をがんばる自分を正当…

【演劇】「心底の写し鏡」森山未來のヘドウィグ

森山未來のヘドウィグ・アンド・アングリーインチを観劇。いや、劇、というか、ライブ。 観て間もないので、その抱いた感覚をうまく咀嚼できていないのだけれども、ああ、これは、価値ある舞台だったと観ている最中に思った。音楽の振動やライブ特有の一体感…

【演劇】「出生大博打」 ふくすけ

きちがい、びっこ、めくら、させこ、まんこ、巨頭症、薬、宗教詐欺、殺人、レイプ、近親相姦。ま、なんでもありですね。出生の不条理をテーマにした放送禁止用語とびまくりの演劇。作・演出 松尾スズキ。ある製薬会社のミスで、薬を飲んだ妊婦から次々に奇形…

【独り言】ハワイへ飛び立つ車イス③

おそらく最後のハワイの旅は、あっというまに、おしまい。 車イスご一行様は、さっさと帰国してしまいましたとさ。 旅程が違う私は、1日おくれての帰国となり、久しぶりに一人で羽を伸ばすこととなる。 ホノルルマラソンに出場した経験を持つ私は、ハワイは2…

【独り言】ハワイへ飛び立つ車イス②

「家族で、旅行も、いいものかしら」前言撤回!前言撤回です!! ハワイの空。海。緑。おだやかな時が流れる癒しの空間。と、思いきや。 「明日8時にレンタカー予約してあるから」 夜遅くフライト疲れと時差ぼけでやってきた娘への辛辣な通告である。 (私だ…

【独り言】ハワイへ飛び立つ車イス①

私の両親は障碍者である。というと、何やら重大な感じがして語弊があるような感じもするが(それも一つの偏見かもしれないのだが)そういう認定を受けていることは事実である。しかも、ふたりとも。(後天性である) 時折社会の偏見の目に愚痴をこぼしつつ、…

【落語】柳家花緑 「着想の精度」

最初その名前を見たときには、何て艶っぽい名前なのだと思った。落語家って伝統の範疇で名付けられるのだと思っていたが(それか前座に多い馬鹿にふざけた名前で、頭から離れなくなる覚えやすさ重視の名前。)、ちょうどよい塩梅に現代の粋があるように感じ…

【落語】「アハに似た体験」

「わたしは笑いに飢えている。」と、最近しきりに自覚するので、とりあえず落語にずっぽりとはまってみている。今日はCDを10枚TSUTAYAで借りてしまった。 志の輔、談春、志らく、談笑。さん喬、喬太郎に市馬、左龍、一朝、昇太に花緑。 知れば知る程広がって…

【落語】志の輔らくご in下北沢 地図を創る男「伊能忠敬」

会社をやすんだ朝は小雨で、先日の猛暑が嘘のように肌寒いから家にいても良かった。でも平日には普段できない特別な何かがあると思い、下北沢へ。本日オープンのBeerとBookが楽しめる知的出会いの場を視察し(URL: http://bookandbeer.com/)、当日券を買い…

【独り言】将来予測の奢り

未来を知ることは、科学の発達で、「不可能」ながらも「蓋然性」をともなった予測を可能としてきた。 だが、明日を知る事は、人間にとって、どのような意味を持つのだろうか?生きることが、この先どうなるかは誰にもわからない。 「おそらく○○になります」…

【落語】「待ってました」の魔力

昨今の落語ブームに乗っかる訳ではないけれども、元より好きだった落語を、久しぶりに聞きに末廣亭へ。 今日のお目当ては柳家喬太郎。彼は、週刊文春の過去の連載、堀井憲一郎の「ずんずん調査」にて、(勝手に)行われた落語ランキングでは’笑わせる'部門の…

【映画】「ラビット・ホール」 重い一歩までの葛藤

裕福な住宅街の一軒家。 徐々にクローズアップされていくと、無心に庭仕事をするニコールキッドマンの憂いを帯びた美しい横顔。「ラビット・ホール」 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル 交通事故で息子を無くした夫婦の葛藤と再起の物語。と、一言で言っ…

【映画】「ウィンターズボーン」バンジョーの奏で 

「この歌を聴いたのはミズーリで…バンジョーは鳴り響く」 という歌が、寂寥たる冬の、米国中西部ミズーリの田舎町を背景に流れる。 そのシーンから、何かが欠けている「とらえどころの無い不安」が、この映画の色なのだろうと思った。「ウィンターズ・ボーン…

【考察】NPOに群がる若者たち

NPO・NGO団体が増えている。先日のYahoo!Newsでトップ記事になったように、国家一種を蹴って社会の為に働く道を選んだ若者がいた、ということが、現代社会を象徴していると感じる昨今。 ■<NPO職員>霞が関より市民の力 キャリア合格の24歳 http://head…

【ひとりごと】恋愛の始まりと、クリムト

恋愛心理について考える今日この頃。恋愛の始まりは誰もがimaginativeになるから、作家が常に恋愛をしなければならないというスタンスも納得できる。 恋は、意図せず突然やってくる事象ではなくて、そうなるであろうという幾分かの予感を持って、自分自身で…

【考察】不確実性とセレンディピティ

「セレンディピティ」という言葉を再認識している今日このごろ。先日、著名なフリーライターの方のお話を聞いた。 ビジネス専門ライターであり、小説やゴーストライターまでこなす多才な方であり、非常に紳士なビジネスマンであった。彼の仕事のスタンスとし…

【本】添加物の恐怖「食べてはいけない」シリーズ

食べてはいけない添加物 食べてもいい添加物 (だいわ文庫)作者: 渡辺雄二出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2008/07/09メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 113回この商品を含むブログ (8件) を見る昨今の諸事情により主婦の皆様は野菜等の食材にセンシティブ…

【考察】文章と写真、論理と感性②

(前日の続き) やっぱり論理と感性、違う部分使うよなあ。 右脳と左脳だよなあ!! と短絡的になるべからず。 今月号のクーリエ(面白い!!)で、右脳=論理性と左脳=直感という考え方は間違っていると言っています。 クーリエによると、98年にエリック・…

【考察】文章と写真、論理と感性①

ある人が言っていた。 言葉と写真を仕事にする人である。 曰く、言葉を綴ること、写真を取ることは使う脳みそが違う。 「言葉は論理」「写真は感性」。 頭の切り替えが必要になるから、同日に作文と撮影を行わない、と。その言葉を、私なりに新釈した。 ・「…

【本】恋愛のいろいろを抜粋

わたし、恋をしました。最近、といっても数ヶ月前ですが。だから過去形です。 初恋から20年以上たったこの歳になると、自分の恋に落ちる規則性が見えてくる。 そもそも恋愛とは何だろう。すごく小さな頃、恋愛ホルモンが分泌される事で恋をするのだという事…

【写真】金曜日の甘美な死骸

恵比寿の写真美術展に行ってきた。 金曜ということもあり、20時までの延長開館。 開館時間延長は素敵。(ついでに金曜は無料開館してほしいものだが。)今回鑑賞した展示は、「日本の新進作家展vol.10」。新鋭カメラマン5人の作品なのだが、そこで写真を眺め…

【映画】CUT

名匠アミール・ナデリ監督、西島秀俊主演。常磐貴子、でんでんなど個性派、実力派俳優が数名。 話題のこの映画、ついに観に行ってきました。観に行ったときに監督も来日していて、気さくに振る舞っていました。ただ。。。。 年末年始の旅行とどんちゃん騒ぎ…

今年の抱負

新年明けました。書きたいこと、見たい事たくさんあったけれども、それを書けずにいる。 映画もたくさん鑑賞したし、本もたくさん読了。美術館鑑賞も行っている。見聞きする情報が溢れ、自分の考えや興味が文字通り流動的になっている今、具体に書き留めてお…

【コラム風】渋谷円山町 下り坂の事故現場

ある晴れた日曜の午後のことである。場所は渋谷区円山町、大通りから一つ裏の急斜面の下り坂。この通りはいつも若い人たちで賑わっている。 映画館からの帰り道、私はふらふらとその坂を下っていた。だが突如、視界が真っ暗になる。周囲の声だけははっきり聞…

【映画】「明日泣く」ために、当夜酔おう

「明日泣く」 今年鑑賞した映画の中でも上位にくる。とても観心地のよかった作品。 色川武大・原作。監督・内藤誠。昭和情緒溢れる物語を本場のジャズで彩り実写化。高校時代から自由奔放に生きるキッコを目で追ってしまう主人公・武。武も自由を求めては独…