2011-01-01から1年間の記事一覧

【コラム風】渋谷円山町 下り坂の事故現場

ある晴れた日曜の午後のことである。場所は渋谷区円山町、大通りから一つ裏の急斜面の下り坂。この通りはいつも若い人たちで賑わっている。 映画館からの帰り道、私はふらふらとその坂を下っていた。だが突如、視界が真っ暗になる。周囲の声だけははっきり聞…

【映画】「明日泣く」ために、当夜酔おう

「明日泣く」 今年鑑賞した映画の中でも上位にくる。とても観心地のよかった作品。 色川武大・原作。監督・内藤誠。昭和情緒溢れる物語を本場のジャズで彩り実写化。高校時代から自由奔放に生きるキッコを目で追ってしまう主人公・武。武も自由を求めては独…

【哲学】デリダ 存在と不在 

中々次の一歩が出ない。 失う悲しみを知ったら尚更、別れが怖くて先へ進むことができない。他者は最初から存在しない。自身が存在を知感した際(存在を意味付けた際)に他者は不在となる運命を同時に背負う。デリダ曰く 「ある種の根源的な喪がある。<他者…

【アート】森美術館の戦略より、アートビジネスの課題を探る

「美術館のグローバル戦略」森美術館長のグローバル戦略講義を受けてきた。 「美術館のビジネスモデルとは?エンターテイメントと国・文化政策の中間地点にいる美術館はどうあるべきか。」 という自分の問いがあって、答えのヒントをもらえるのではないかと…

【音楽】「HIP HOP」はモテるべきか?

しゃらくさい戯言ですが、 以下イメージで語る「J−HIP HOP」論。前置き 先日、職場の人で「KLEVA」が好きな人がいた(年は伏せるけど、若者ではない。おじさん過ぎない働き盛り)。机に、「KLEVA」のアルバムがそっとおいてあって周囲の同僚とそれをネタにし…

【エロティシズム】性的倒錯は芸術たるか

「性欲理論」 人間は無意識の世界にある性の衝動(リビドー)に支配されている 本能が壊れちゃっているから、性的に興奮する様々なスイッチが人間には必要だった。 神経が大きく刺激されるその倒錯は、無意識下の欲望充足の手段である。つまり人間の深掘りに…

【エロティシズム】浅草ロック座・追記(すぐに見れちゃったらどうす

先日の浅草ロック座レポートに引き続き。「すぐに見えちゃったら、真っ裸になっちゃったらどうすんの?どやって興奮し続けんの。(だってあんなに穴からしわまでさらけ出しちゃって、リアリティ満載で妄想なんてすっ飛ぶじゃん。)」という素朴な疑問をつら…

【エロティシズム】浅草ロック座、女性の肢体は美しい

「浅草ロック座」 誰もが一度は耳にしたことがあるだろう、老舗ストリップ劇場。 ストリップは芸術たるか?という問いへの答えを自分なりに探すために、行って参りました。 【ストリップレポート】 ①大きな流れ 基本的に、各ダンサーの演目の流れは下記 ①幕…

【映画】「神々と男たち」宗教と日本

「神々と男たち」 監督:グザヴィエ・ボーヴォワアルジェリアで起こった実際の事件を基に制作された作品。 アルジェリアの内戦激化の現実に直面しながらも、そこに留まる修道士たちの思想、信念、愛を描く。自分たちの存在が、その地にすむ人々に求めれてい…

【音楽】小澤征爾「サイトウキネンオーケストラ」

知人にサイトウ・キネン・オーケストラのDVDを頂いた。 毎年松本で開かれるオーケストラの総集編だ。(Ludwig van Beethoven)(頂いたDVDの内容とは違うが、参考までに) 手塚治虫の漫画に出てきそうな、風貌。 オーケストラは詳しくないが、指揮者には、偉大…

【人】Steve Jobs×吉田兼好 禅の思想

アップルの会長、Steve Jobsが亡くなった。アップルがSteveを神格化しているとはいえ、彼のカリスマ性は凄い。 以下、スタンフォードの有名な卒業演説より抜粋。①「connecting the dots」 点と点をつなぐこと。異業界、異質の事物を上手くつなぎ合わせる事で…

【本】「ユング」と「岸田秀」から「ヤリ逃げ」を勝手に分析せんとす

ユングは、深層心理について理論を深め、分析心理学の理論創始者。ユング心理学=分析心理学。 コンプレックス コンプレックスとは、自我に服さず、ある程度の自立性をもった深層心理。 自我の統合性を乱す - 岸田秀「ものぐさ精神分析」を読み返してから、…

【映画】「抱擁のかけら」からペドロアルモドーバル作品を思い出す

「抱擁のかけら」 監督ペドロ・アルモドーバル ペネロペ美しい。 映画監督と女優の、恋愛映画である。 恋愛映画だからメッセージは色濃くないのだけれど、であるから尚更文学的色合いが強い。 ではどのような文学的色合いか、と言えば。 また時間のあるとき…

【本】「ウイスキー」が飲みたくて、とりあえずメモ

ウイスキーが飲みたくて。 よく行く恵比寿のロックバーのウイスキー。 「ピートの効いた」アイラ島のお酒が好き。時間があればこの本読みたいウイスキーの科学―知るほどに飲みたくなる「熟成」の神秘 (ブルーバックス)作者: 古賀邦正出版社/メーカー: 講談…

【本】「ものぐさ精神分析」「性的唯言論」を読んで男女の一戦を考え

ものぐさ精神分析ものぐさ精神分析 (中公文庫)作者: 岸田秀出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/01/18メディア: 文庫購入: 27人 クリック: 254回この商品を含むブログ (107件) を見る性的唯幻論序説 性的唯幻論序説 (文春新書)作者: 岸田秀出版社/メー…

【アート】ワシントンナショナルギャラリー展、ゴッホの薔薇を愛でる

新国立美術館 ワシントンナショナルギャラリー展 表紙の作品は、 エドゥアール・マネ 「鉄道」 1873年 油彩・カンヴァス 展示内容は、印象派以前〜ポスト印象派までの著名作家の絵画。 縁あって2回の訪問。名作ばかりで何度見ても良い。 作品で特に印象深か…

【映画】「アンチクライスト」わかりません

「アンチクライスト」 ラース・フォン・トリアー監督。 シャルロット・ゲンズブールの演技が秀逸。この映画の引きずる感じ、どっかで経験したことあると思ったら、監督が「ダンサー・インザ・ダーク」の人だったのね。 あの時の映画のように、精神的な破綻か…

【アート】名和晃平 ─ シンセシス展、駆け足で

名和晃平 ─ シンセシス 展あわあわぶくぶく。 「Cell」をコンセプトに、以下のような作品を手がける彫刻家。PixCell-Elk#2 2009 MOTに行ったついでに駆け足で鑑賞。企画として面白い。 まずは知識を与えずに、感覚としての鑑賞。意味は何か自分なりに考える…

【アート】フレデリック・バック展 

フレデリック・バック展 フレデリック・パック 1982年に「クラック!」、1988年に「木を植えた男」で、アカデミー賞短編映画アニメーション賞を受賞。現在もモントリオールに住み、創作活動を行う傍ら、自然保護団体の活動などにも参加木を植えた男 1982 ク…

【映画】「ソウル・キッチン」

「ソウル・キッチン」 監督・脚本:ファティ・アキン ドイツのハンブルクでギリシャ出身の青年が営む食堂を舞台にした物語。 青春映画に入るのだろうか。青年が幾多の困難が滑稽という程に降り掛かり、夢に向かってユーモラスに描いている 日常ありふれてそ…

【映画】「ナイト・トーキョー・デイ」

「ナイト・トーキョー・デイ」 監督:イザベル・コイシェ スペインの女流監督の映画。 一言で言うと、異文化日本に憧れを抱いた監督の理想の日本を背景に、ただ孤独風の男女がファックする映画。 外国人から見る異国、ニッポンでの孤独、異国同士の情愛を描…

【映画】「ノーウェアボーイ」

「ノーウェアボーイ」 監督:サム・テイラー=ウッド 若き日のジョン・レノンを描いた映画。 さわやか!当時は複雑であろう家庭環境で苦悩を抱く、反骨精神(RR!)旺盛な若者、ジョンレノン。 家族への苦悩、落ちこぼれ(Nowhere)と野心と諸々健全な欲求と…

【映画】「時計仕掛けのオレンジ」/「ファイトクラブ」

「時計仕掛けのオレンジ」 製作・監督・脚本:スタンリー・キューブリック 「ファイトクラブ」 監督:デヴィット・フィンチャー 改めて観る名画。 二つの映画に共通するのは、 自由な思想と行動(自由主義)をする青年と、現代の規制・消費第一の社会(全体…