【映画】「時計仕掛けのオレンジ」/「ファイトクラブ」

「時計仕掛けのオレンジ」
製作・監督・脚本:スタンリー・キューブリック


ファイトクラブ
監督:デヴィット・フィンチャー

改めて観る名画。
二つの映画に共通するのは、
自由な思想と行動(自由主義)をする青年と、現代の規制・消費第一の社会(全体主義/消費主義)との間で動く1人の青年を描いている事か。
ただし前者は本質は変わらない青年を社会が規制・強制して個を抹消しようとする外部要因が、
後者はすでに社会に同化している青年が、自己矛盾、内的変化の欲求から個を創造する、自発的要因からの変化という二つの方向性で描かれている。

時計仕掛けのオレンジは、セクシーな映画だった。性的な要素ではなく、人間が本能的に求めるエロスが点在していた。音楽、アート、暴力、もちろんセックスも。
クラシックのかかる中での暴力シーンは、繊細な活動で、演劇の一場面のように滑らかだった。過剰な暴力も性も、余分な演出がないと、こうも自然に写るとは。人間の持つ本能的な行為に他ならない、と感じさせる。
とっても皮肉ってるんだけど、爽快。展開も分かりやすいし

ファイトクラブは、緻密な脚本設計が最期まで映画に引き込んで行く。
こちらの音楽はテンポの早いスピード系。
内的動機の具像としてのブラピが所々に語りかける、自己への問いが謎を絡めて、最期に爽快に解いてくれる。

どちらも引き込まれ、最期に解放される映画。